水のコラム

ウォーターハンマー現象はなぜ起こる?

2019年06月27日  水のトラブル


水回りで聞こえる異音のひとつに、ウォーターハンマー現象があります。場合によってはトラブルにつながる可能性があるので、防止対策は無駄にならないでしょう。今回は、ウォーターハンマー現象の基本的な仕組みや対策方法をご紹介します。

ウォーターハンマー現象とは?

ウォーターハンマー現象とは、水回りでよく起きる現象のひとつです。一般的に、水と配管が大きく関係しています。

・名前は発生音に由来
ウォーターハンマー現象は、水道を使っているとき「コンコン」「トントン」と音が発生する状況を指します。水が主要原因であり、あたかもハンマーで何かを叩いているように聞こえるため両者を併せてこの名称がつきました。通常、音が聞こえるタイミングは水道の蛇口を開閉したときです。実際には水の流れが変化することで配管に衝撃が加えられ異音が生み出されるため、「水撃(すいげき)作用」とも呼ばれています。水撃という表現が示すとおり、この現象は水が生み出す衝撃音といえるのです。

・ウォーターハンマー現象が起きる場所
ウォーターハンマー現象は、水道を使うところであれば場所を選ばず発生する可能性があります。よく知られているのは、全自動洗濯機や食器洗い機の事例です。これらの器具の動作中に、「コン」と聞こえることは少なくありません。給湯器が異音の発生源になる場合もあり、キッチン、洗面所、浴室、トイレのいずれかを問わずウォーターハンマー現象は起きるといわれています。とくに発生率が高いのは、シングルレバー水栓で水を勢いよく流した直後です。このタイプが設置されているキッチンや洗面所では、少しゆっくり蛇口を開閉したほうがよいかもしれません。

蒸気の異常発生が原因

水回りで起きるウォーターハンマー現象の基本的な原因は、水の流れの変化です。流水スピードが変わると配管内の圧力に少なからず影響し、異音の発生につながります。

・水の流れが止まると圧力上昇
水道の蛇口を開いたとき、水はある程度の勢いをもって流れ出すのが普通です。水の勢いがかなり強ければ、蛇口を閉めたとき水は急停止したような状態になります。水が一瞬のうちに速度を落として静止した場合、まだ前進しようとする勢いが作用するため水圧の上昇を招いて配管内に強い衝撃を与えます。これまで勢いよく流れていた水が急に動きを止められると強い圧力の波が発生し、その波が配管にぶつかったときハンマーで叩いたような振動音が聞こえるわけです。

・蒸気配管などは蒸気とドレンが主原因
蒸気配管や蒸気使用設備では、主に蒸気と蒸気の放熱により生成されるドレンがウォーターハンマー現象を引き起こします。蒸気が深く関わっているため、スチームハンマーの別名をもっています。代表的な発生パターンのひとつは、蒸気が高速で配管内に流れてきたとき配管にたまっていたドレンの塊が押されて配管にぶつかるケースです。ドレン同士が衝突して、異音が発生することも少なくありません。こちらのパターンは、蒸気の凝縮が引き金になります。蒸気は冷たいドレンに触れると体積がほとんど失われ、一時的に真空状態をつくります。そこにドレンが押し寄せると、ドレン同士が衝突して異音を生むのです。

専用の防止装置を取り付ける

ウォーターハンマー現象は大きな振動音や衝突音から騒音トラブルに発展する恐れもあるので、何かしら対策しておいたほうが安心でしょう。

・一般家庭の場合
一般家庭の場合、水撃防止器の装着が有効です。水道関連業務を扱っている専門業者であれば、ほかにもウォーターハンマー対策のためのアイテムがいろいろとそろっています。時間に余裕があるときに各種の装置を見ておくと、いざ設置する際、慌てなくて済むでしょう。購入費は多少かかりますが、万一に備えて取り付けておけば騒音トラブルのリスクを減らせます。予算に余裕がなければ、無理に入手する必要はありません。上述したとおり、日頃から蛇口の開閉に気を付けるだけでもウォーターハンマー現象の予防につながります。水の流れが急激に変化するとよくないので、できるだけ静かな動作を心がけてください。

・蒸気が関わる場合
蒸気が関わるウォーターハンマーの対策としては、水道の蛇口と同じように配管にあるバルブの操作がポイントといわれています。バルブをゆっくり開閉すると、蒸気の流れを遅くするとともにドレンの生成量も抑えられるためです。ただし、この方法ですべて解決するわけではありません。蒸気輸送管の場合、配管からのドレンの除去が必要です。専用のスチームトラップを適切に設置して、できるだけ素早くドレンを取り除くことが望まれます。それでも解決しないときには、配管の勾配が逆になっているかもしれません。少しの逆勾配でもウォーターハンマーを招くので、よく確認してみるとよいでしょう。

まとめ

数ある水回りのトラブルのなかで、ウォーターハンマー現象も水道使用で注意したい問題のひとつ。あまり放置すると、長く使ってきた給湯器や洗濯機は激しい振動により故障しやすくなります。騒音トラブルを回避するためにも、はやめに対処しておきましょう。

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