キッチンの排水口がつまる原因は？対処法と予防法も解説

水のコラム

2020年02月28日つまり

キッチンの排水口は、油汚れや食材のカスなどによってつまりやすい場所です。
排水口がつまると、シンクに水が溜まって雑菌が繁殖したり、嫌なニオイが漂ったりするため、早めの対処が重要です。

この記事では、キッチンの排水口がつまる原因と対処法を解説します。
つまりを予防する方法もお伝えしますので、キッチンを快適に使用しつづけるための参考にしてみてください。

キッチンの排水口がつまる原因

キッチンの排水口がつまる主な原因として、次の3つが挙げられます。
それぞれの原因を、詳しく見ていきましょう。

キッチンの排水口がつまる主な原因

油汚れが蓄積している
食材のカスが溜まっている
固形物がつまっている

油汚れが蓄積している

キッチンの排水口がつまる原因はさまざまですが、特に多くみられるのが油汚れの蓄積です。
調理で使用したサラダ油やオリーブ油のほか、ベーコンやバターなどの食材に含まれる油をそのまま排水口に流してしまうと、冷え固まって次第に汚れが蓄積します。

油が固まって蓄積すると、水の通り道を狭めてつまりを引き起こすのです。

食材のカスが溜まっている

調理中に出た食材のカスや食べ残しなども、キッチンの排水口がつまる原因として挙げられます。
食材の切れ端や小さなカスは、シンクに設置されているごみ受け皿の穴をすり抜けて、排水口に流れ込む可能性があります。
流れ込んだ食材のカスが蓄積すると水の流れが悪くなり、つまりの原因となるわけです。

また、食材のカスは排水口に生息する微生物のエサとなり、ぬめりの発生源である雑菌を増殖させます。
食材のカスによるつまりにくわえてぬめりが発生すると、さらに水の流れが悪くなります。

固形物がつまっている

シンクに誤って落とした固形物が、つまりの原因となることもあります。
たとえば、食材を保存する際に使用した輪ゴムや、ラップの切れ端などです。
これらは小さく、シンクに落としてしまうと見失うこともあるため、誤って水と一緒に排水口に流すケースも少なくありません。

また、シンクの掃除に使用するスポンジやブラシのかけらも、気づかずに排水口に流れ込む可能性があり、つまりの原因となります。

キッチンの排水口がつまったときの対処法

キッチンのつまりを解消するには、原因に合わせた対処法が効果的です。
ここでは、つまりの原因ごとに対処法を紹介します。

キッチンの排水口がつまったときの対処法

油汚れが原因の場合
食材のカスが原因の場合
固形物がつまっている場合
まったく水が流れない場合

油汚れが原因の場合

油汚れが原因で排水口がつまっている場合、固まった油をお湯で溶かし、水圧で一気に押し流すと、つまりを解消できる可能性があります。
お湯でつまりを解消する具体的な手順は、次の通りです。

お湯を使用した対処法

手順①タオルと60℃程度に温めたお湯を準備する
手順②排水口の蓋とごみ受け皿を取り外す
手順③排水トラップを左に回して取り外す
手順④タオルを排水口につめて密封する
手順⑤準備しておいたお湯をシンクに溜める
手順⑥タオルを一気に引き抜く

この方法は油汚れには効果を発揮しますが、つまりの原因が固形物だった場合、水圧によって物体を排水管の奥に押し流してしまうおそれがあります。
こうなると自力では対処が難しくなるため、この方法は排水口に固形物が落ちていないかどうかを確認してから試しましょう。

食材のカスが原因の場合

食材のカスによるつまりを解消するには、ごみ受け皿の掃除が有効です。
ごみ受け皿の多くは細かい網目状になっており、こまめに掃除をしないと食材のカスが溜まって網目を塞ぐこともあります。
そのため、つまようじや竹串などを使用して定期的に掃除をすることで、水の流れが改善します。

また、食材のカスが原因で発生したぬめりの除去には、重曹とお酢も効果的です。
これらを使用する際の手順は、以下を参考にしてみてください。

重曹とお酢を使用した対処法

手順①排水口の蓋とごみ受け皿を取り外す
手順②排水トラップを左に回して取り外す
手順③排水口にまんべんなく重曹をふりかける
手順④重曹の上からお酢をかける
手順⑤泡が出てきたらそのまま30分～1時間置く
手順⑥40℃程度のお湯で洗い流す

重曹とお酢の化学反応によって泡が発生したら、30分～1時間放置するのがポイントです。
この泡が排水口のぬめりに浸透すると、汚れが浮き上がって落ちやすくなります。
ただし、大理石や天然石といった石材で作られたシンクにお酢を使用すると、表面が溶ける可能性があるため、シンクの素材を確認したうえで実施してください。

固形物がつまっている場合

固形物がつまって排水不良が起きている場合、原因となっている物体を除去するのが先決です。
これを放置していると、固形物に油汚れやぬめりが付着して排水口のつまりが悪化する可能性があります。

さらに固形物が目視できないところでつまっている場合は、排水パイプや排水ホースの分解が必要です。
普段から修理作業に慣れている方であれば、これらの部品を分解してつまりの原因となっている固形物を除去できるかもしれません。
しかし、排水パイプや排水ホースを分解する際は、汚水が溢れたり部品が損傷したりするおそれもあるため、心配な方は水道修理業者に対応を依頼することをおすすめします。

まったく水が流れない場合

すでに紹介した対処法を試してみたものの、まったく水が流れない場合は、排水口だけでなく排水設備全体で問題が発生していると考えられます。
排水パイプや排水ホース、さらには排水管でつまりが起きているケースもあり、放置すると部品の接続部分から汚水が漏れることもあります。

特に、長期間排水管の掃除を実施していない場合、排水管が完全につまっている可能性も考えられるので、早めに水道修理業者に対応を依頼しましょう。

キッチンの排水口のつまりを除去する際の注意点

ご自身でキッチンの排水口のつまりを除去する際は、事態の悪化を防ぐために以下の点に注意して作業を行うことが大切です。

キッチンのつまりを除去する際の注意点

注意点①熱湯を流さない
注意点②固形物を押し流さない
注意点③排水パイプ・排水ホースを取り外さない

注意点①熱湯を流さない

お湯を流して排水口のつまりを除去する場合、熱湯の使用は避けてください。

シンクに流した水は、排水トラップや排水パイプ、排水ホースを通って排水管へと流れます。
これらの排水設備の多くは樹脂やゴムなどで作られているため、熱湯を流すと変形や破損につながるおそれがあります。

そのため、沸騰したお湯をそのまま排水口に流すのではなく、水を混ぜて60℃程度に温度を下げてから流しましょう。
また、電気ポットや電気ケトルを使用すれば、お湯の温度を簡単に調整できます。

注意点②固形物を押し流さない

固形物が原因で排水口がつまっている場合、たとえ小さな物であっても無理やり押し流してはなりません。
固形物がさらに深い場所に流れてしまい、つまりの悪化や水漏れを引き起こす可能性があるためです。

固形物が排水トラップ内でつまっている場合は手で回収し、排水口の奥でつまっていて手で回収できない場合は、菜箸や針金などを使用して除去しましょう。
ただし、固形物が目視できない部分まで流れてしまった場合は、排水設備の分解が必要になります。
排水設備はご自身で分解することも可能ですが、適切に処置しないと汚水が溢れる可能性もあるため、心配な方は水道修理業者に対応を依頼することをおすすめします。

注意点③排水パイプ・排水ホースを取り外さない

排水パイプや排水ホースの分解が必要になった場合でも、慣れていない方が無理に作業を進めるのは避けたいところです。

キッチンの排水設備は比較的簡単な構造をしていますが、排水パイプや排水ホースを分解するには、レンチやスパナといった専用の工具が必要になります。
このような工具を使用した作業は、普段からDIYを行う方でなければ難しく感じることもあるかもしれません。
慣れていない方が無理に作業を進めると、部品の破損や水漏れを引き起こす可能性もあります。

また、作業の際は排水パイプや排水ホースに溜まった汚水が溢れ出ることも考えられるため、周囲の養生も含めて、水道修理業者に対応を依頼すると安心です。

キッチンの排水口のつまりを予防する方法

キッチンを快適に使用しつづけるためには、再びつまりが起きないように対策することが重要です。
ここからは、キッチンの排水口のつまりを防ぐ方法を紹介します。

キッチンの排水口のつまりを予防する方法

調理器具や食器に付着した油は洗う前に拭き取る
調理以外でのキッチンの使用を避ける
ごみ受け皿を定期的に掃除する
定期的にパイプクリーナーを使用する

調理器具や食器に付着した油は洗う前に拭き取る

調理器具や食器を洗う前に、残った油を拭き取るのを習慣化しておくと、排水口のつまり防止に役立ちます。
油は排水口がつまる原因になるので、できるだけシンクに流さないようにしましょう。

なお、油を拭き取る際は、新聞紙やキッチンペーパーのほか、専用の油処理剤を使用するのもおすすめです。

調理以外でのキッチンの使用を避ける

キッチンで歯磨きや洗髪を行う方もいらっしゃるかもしれませんが、排水口がつまるリスクが高まるので、避けたほうがよいでしょう。

歯磨き粉は水に溶けやすい性質ではあるものの、歯を磨く前に塊のままシンクに落としてしまうと、排水口でつまる可能性があります。
また、キッチンで洗髪すると髪の毛が排水口に流れ込み、つまりの原因となります。

キッチンは調理でのみ使用し、排水口のつまりにつながる要因を少しでも減らすことが大切です。

ごみ受け皿を定期的に掃除する

ごみ受け皿のこまめな掃除も、排水口のつまりを予防するのに効果的です。
キッチンのごみ受け皿には食材の切れ端やカスが溜まりやすいため、定期的に掃除をしないと、目づまりを起こすこともあります。
その状態で使用していると、ごみ受け皿に溜まった固形物が排水口に流れ込み、つまりを引き起こします。

掃除の頻度は、可燃ごみの回収に合わせて週2回程度が目安です。
可燃ごみを出すタイミングでごみ受け皿の掃除を習慣化すれば、つまりが起きにくい快適なキッチンを維持できます。

定期的にパイプクリーナーを使用する

ごみ受け皿とあわせて、パイプクリーナーによる排水口の定期的な掃除も欠かせません。
パイプクリーナーには、キッチンの排水口にこびり付いた油汚れや、食材のカスによって発生したぬめりを溶かす効果があります。
そのため、定期的に使用することで排水口に汚れが蓄積するのを防ぎ、排水機能の維持につながります。

ただしパイプクリーナーは、まったく水が流れない、または逆流しているといった重度のつまりの場合、かえってつまりを悪化させるため、注意が必要です。
排水口に汚れが溜まっていた場合、大量の汚れが剥がれ落ち、排水管を塞ぐ可能性があります。
パイプクリーナーは、あくまでも軽度のつまりやメンテナンスとしての使用にとどめておきましょう。

つまりを解消できないときは水道修理業者に依頼する

つまりの原因が特定できない、あるいはまったく水が流れない場合は、自力での対処が難しいかもしれません。
キッチンの排水口がつまると、シンク下や床から水が漏れる可能性が高まるので、「自分ではつまりを解消できない」というときは、早めにプロに相談しましょう。

なお、排水口が完全につまって水が逆流している場合は、深刻な状態であることが予想されるため、対処法を試す前に水道修理業者に相談してください。

水道修理業者に依頼する際の費用の目安

水道修理業者に依頼する際は、信頼できる業者を見極めるために費用の相場を把握しておくことが大切です。
キッチンのつまりの除去にかかる費用は、以下を参考にしてみてください。

水道修理業者につまりの除去を依頼する際の費用相場（令和7年10月現在）

低度つまり	基本料金 + 出張費
中度つまり	基本料金 5000円 + 作業料金 + 出張費
高度つまり	基本料金 5000円 + 作業料金 + 出張費
施工内容	施工料金	出張料金
薬品洗浄(基本料金に含む)	¥5,000〜	¥3,000 / 出張1回
トラップ脱着	¥16,5000〜
ジャバラホース交換	¥16,5000〜
ドレンクリーナー	¥26,400円～
高圧洗浄	¥38,500円～

上記で紹介した内容はあくまでも目安のため、つまりの程度や部品の状態によって変動します。
実際の費用は、水道修理業者から見積もりを取得して確認しましょう。

きょうと水道職人の利用料金は以下の通りです。
キッチン（つまり）料金表

安心して任せられる水道修理業者を選ぶためのポイント

修理を依頼する際は、複数の水道修理業者をさまざまな視点から比較して選ぶことが重要です。
具体的には、以下の4つのポイントが挙げられます。

安心して任せられる水道修理業者を選ぶポイント

ポイント①水道局指定工事店であることを確認する
ポイント②費用が適正であることを確認する
ポイント③速やかに対応してくれる業者を選ぶ
ポイント④実績が豊富な業者を選ぶ

ポイント①水道局指定工事店であることを確認する

水道修理業者を選ぶ際は、まず水道局指定工事店であるかを確認しましょう。
水道局指定工事店とは、各自治体の水道局から給排水装置に関わる工事を適切に行えると認められた業者のことです。
この指定を受けるには、一定レベルの技術や設備を有している必要があり、信頼できる業者である可能性が高いといえます。

また、水道局指定工事店と非指定工事店では、対応できる工事の範囲も異なります。
万が一大がかりな工事が必要となった場合、非指定工事店では修理できないケースもあるため、十分な知識と技術を持った業者に修理を依頼することが大切です。

なお、水道局指定工事店かどうかは、水道修理業者または各自治体の公式ホームページで確認できます。

ポイント②費用が適正であることを確認する

修理費用が相場とかけ離れていないかどうかも、信頼できる水道修理業者を選ぶ際に確認しておきたいポイントの一つです。

修理費用が高すぎる業者はもちろん、相場よりも大幅に安く提示している業者は、違法工事や施工不良のリスクがあります。
また、広告では適正な修理費用を掲示していても、「いざ修理を依頼したら高額な費用を請求された」といった例も少なくありません。

このようなトラブルを防ぐために、複数の水道修理業者から見積もりを取得して費用や内容を比較することをおすすめします。
さらに、見積もりに部品費や出張費などの細かい項目が含まれているか、また追加費用が発生する可能性があるかどうかも業者に確認しておくと安心です。

ポイント③速やかに対応してくれる業者を選ぶ

水まわりのトラブルをスムーズに解決するためには、問い合わせから修理までの対応スピードが速い水道修理業者に依頼することも大切です。

水まわりのトラブルは、すぐに対応しなければならないケースも少なくありません。
特にキッチンの排水口がつまると、料理や洗い物ができずに日常生活にも支障をきたします。
そのため、24時間365日問い合わせに対応している業者や、複雑な手続きがなく電話一本で駆け付けてくれる業者に依頼するのがおすすめです。

ただし駆け付けまでのスピードが速くても、見積もりの作成や修理作業に時間がかかる場合もあります。
最終的に依頼するかどうかは、見積もりの作成と作業時間の目安を確認してから判断するとよいでしょう。

ポイント④実績が豊富な業者を選ぶ

修理実績が豊富な水道修理業者は、それだけ多くの人に選ばれている業者であると判断できるため、安心して任せられます。

過去の修理実績は、水道修理業者の公式ホームページに掲載されているので、問い合わせる前に確認しておくことをおすすめします。
公開されている修理実績の内容は業者によって異なるものの、対応内容や費用、また作業時間などの掲載が一般的です。
複数の業者でこれらの内容を確認すれば、対応数や作業スピードが比較できるため、修理を依頼する業者を決めるのに役立ちます。

修理実績が多い業者ほど、知識や経験が豊富である可能性が高いといえます。