水のコラム
お風呂からアンモニアの臭いがするときの正しい掃除方法
浴室のドアを開けた途端、なかからアンモニアの臭いが漂ってくることがあります。
「どうしてアンモニアの臭いがするの?」「困った。どうやって除去しようか?」とお悩みの方もいるかと思います。ここでは、アンモニアの臭いがするときの正しい掃除方法について解説していきます。
記事を参考として日ごろのお掃除に役立ててみてください。
お風呂がアンモニア臭くなる理由
アンモニアの臭いといえば、「トイレ」を思い浮かべる方が多いかと思います。な
ぜならアンモニアの臭いのもとは、人の「尿」だからです。小便をするとき、気づかずに飛散した尿汚れが トイレのアンモニア臭の原因です。
それでは、なぜトイレからではなく浴室から臭いがやってくるのでしょうか?浴室から尿の臭いがするときは、下記の2つが主な理由です。
・尿が壁面や浴槽や床面に飛散してこびりついている
・排水管内から臭いが立ち上ってくる
■尿の飛び散り
このケースは、トイレと同じ状況によってアンモニアが臭ってしまうパターンです。
誤って浴室内で小便をしてしまうと、尿が飛散して床面や壁面にこびり付きます。床汚れはしっかり流しきったつもりであっても、尿の飛散は思った以上に幅広いものに及んでしまうもの。
壁面やドアなど、目に見えない部分に付いた尿汚れにより、アンモニアの臭いが生じてしまいます。
幼いお子様がいる家庭では、「目を離した隙におしっこをしてしまう」ということもよくあります。「お風呂に入る前はトイレに行く」ことを躾けるとともに、もし小便をしてしまった場合は、床面だけではなく、まわりの壁面やお風呂セットなどきちんと清掃するのがおすすめです。
■排水口からの臭いの立ち上り
お風呂場の排水管は、奥のところでトイレ排水管とつながっている場合もしばしば。
接続している排水口を通して、便所のイヤな臭いが浴室内にまで到達してしまっている可能性があります。このケースでは、アンモニア臭の原因は間違いなくトイレからの臭いです。
浴室内に原因を求めて徹底的に清掃してもアンモニアの臭いは消えません。それよりも排水管や下水管の状況を確認しなければならないでしょう。
ここからは、上記2つのケースの具体的掃除方法について以下、ポイントを解説していきます。よく確認してみてください。
掃除方法1 尿がこびりついている場合
浴室内の尿の飛び散りがアンモニア臭の原因のとき、尿の汚れを効率よく取り除くことが、臭いを抑えるコツです。
ただし、便所清掃をしている方ならご存知かもしれませんが、飛散した尿は尿石となり、とてもしつこい汚れとなります。
こういうときは、ぜひ酸性の特性を持つ「クエン酸水」を使用してみてください。それとは対照的に、アルカリ性の特性を持つ尿石の汚れを、溶かして取り除きやすくしてくれます。
用意するものは、以下の3つ。
・不要なスプレーボトル
・クエン酸
・水
スプレーボトルに水を200ml入れ、小さじスプーン1杯のクエン酸を入れたらできあがり。
クエン酸が手元にない場合は、クエン酸の代用としてお酢をスプレーボトルに入れたものでもOKですよ。
クエン酸スプレーを壁や浴槽の側面に吹きかけ、スポンジでこすって尿の汚れを落としましょう。酸性のクエン酸がアルカリ性の尿を中和し、臭いを解消してくれます。
クエン酸スプレーはお風呂場の水垢にも有効なため、作って常備しておくと便利ですよ。
クエン酸水スプレーで尿が飛散している壁面や床面に塗りつけていきます。汚れが落ちないときにはサランラップで覆いましょう。クエン酸成分を長く接触させることで、きちんと染み渡らせることができます。
クエン酸入りスプレーは、水垢の汚れにも非常に効果的。浴室内の壁面全体をきれいにさせることができるので、ぜひトライしてみてください。一度、クエン酸を浸透させたあとは台所スポンジでこすり洗いし、しっかりとすすいでおきましょう。またクエン酸と相性がとても良いのが「重曹」です。
重曹と組み合わせて手入れすると、腐敗臭予防にも有効です。
掃除方法2 :排水口から臭う場合
排水口からアンモニア臭が立ち上ってくるときは、排水口を清掃しましょう。
排水口を清掃して正しくパーツを元通りにすることで臭いが改善されます。そこで使うのは、液状パイプクリーナーです。排水口の蓋や排水トラップなどの部品を全て外した状態で、液状パイプクリーナーを流し込んでいきます。汚れた部品はきれいに洗ってください。
パイプクリーナーボトル1本分を注いで30分くらい放置したあと、大量の水で洗い流せば手入れは終了です。つまり防止にも役立つので、定期的に実践すると良いでしょう。
また、液状パイプクリーナーは有害なので人体への影響が気になるという方は、「掃除方法1」と同様に「クエン酸・重曹」を使ってもほとんど臭いを消すことができます。
はじめに、ゴミ受けの下部に取りつけられている下向きのカップ状の「排水トラップ」を取り外し、毛髪や石鹸カス、アカなどの汚れを除去しましょう。その後、重曹1カップとクエン酸1/2カップを排水口に振りかけ、1カップの水を全体にまんべんなく回しかけます。
そのまま1時間くらい放置したら清掃終了です。
取り外したゴミ受けや排水トラップも同じように重曹とクエン酸を振りかけて洗い流せば、より消臭効力が上がります。洗浄後は、パーツをきちんと元通りにしておきましょう。
また排水口掃除をするときは、封水がちゃんとたまっているかどうかも確認してみてください。封水とは、排水トラップ内部に溜められている水(貯水)のことを指します。
封水は下水からの臭いの立ち上りを防止するためのものですが、ごく稀なケースで空になってしまうことも。こういうとき、排水管奥のアンモニアの臭いが直接室内に到達してしまうので、アンモニア臭もひどくなりやすいです。
封水がなくなっているとき、ふたたび水を満たし改善されるようであればそれでOKです。しかし水を満たしても、またすぐに空っぽになってしまうときは、何らかの不具合が生じている可能性が高いです。
臭いが取り除けない場合は業者に依頼しよう
先の項目で紹介した2つの方法を実践してみても、アンモニア臭を除去できない場合もあります。その場合、水回り付近に何らかの問題が生じていないかどうか、一度専門家目線で点検してもらうのがおすすめです。水回りで臭気があるときは、思いもよらない所で不具合が生じている可能性が高いです。
それ以上状況を悪化させないためにも、全体の状態をチェックしておきましょう。
浴室で気になるアンモニアの臭い。その主な原因は、ここまで解説してきたように「尿による汚れ」です。壁面や床面など、幅広く入念に洗ってみてください。自力ですることができないときには、清掃専門会社に依頼するのも一つの方法です。
一方で、排水口の奥から充満してくるアンモニアの臭いが改善できないときは、水道専門業者に修理依頼をしてしまうのがベストでしょう。
まとめ
ここまでお風呂からアンモニアの臭いがするときの正しい掃除方法について解説してきました。
体への影響を気にされる場合「クエン酸・重曹」のベストマッチがおすすめですが、疲れて気力がないというときは、液体パイプクリーナーを使うのもあり。
その際には、今回紹介した方法を参考にして、実践してみてください。