水のコラム

トイレのオーバーフロー管が折れた! 交換方法について

2019年07月30日  水のトラブル


オーバーフロー管の故障は、よくトイレの水漏れを引き起こします。あまり強度のある部品ではなく、折れることが少なくありません。部品交換には慎重を要するので、手順を覚えておくと安心。そこで今回は、オーバーフロー管の役割をふまえたうえで交換方法や折れやすい理由をご説明します。

オーバーフロー管の役割

オーバーフロー管は、トイレタンクの底に取り付けられた細長い棒状の部品です。先端付近に標準水位が記されており、タンク内の水位に問題がないか確認できます。

・通常時は作動しない
トイレタンクが正常に機能している場合、レバーを回すと鎖でつながれたフロートバルブが引き上げられタンクの排水口から便器へと水が流れ出します。レバーが元に戻ってフロートバルブが排水口をふさいだら、水の流出も終了です。

タンク内の水位が下がるとボールタップの浮き球が下がり、今度はボールタップの弁が開いて水道管からタンクに水が供給されます。水位が高くなるのに合わせて浮き球が本来の位置まで上昇すれば、ボールタップの弁は閉じて給水も止まります。

一連の動きが通常通りである限り、オーバーフロー管はとくに作動しません。タンク内の水位が、標準レベルに保たれていることを示すに留まります。

・水位が高くなると機能する
オーバーフロー管が機能するのは、標準より水位が高くなったときです。タンクから水があふれないように、水を排出する役割を果たします。

オーバーフロー管は中空になっており、先端まで水に浸かると余分な水は管内を通って便器へと流れていきます。レバーを操作しなくても便器に水が出てくるときは、オーバーフロー管が水没するほどタンク内の水位が高くなっているかもしれません。先端より下まで水が減ると、オーバーフロー管からも排水されなくなります。

水位が高くなる主な原因は、浮き球の破損です。浮き球が割れて浮かなくなると、給水が続いて水位はオーバーフロー管の先端を超えてしまいます。

オーバーフロー管の交換手順と方法

オーバーフロー管を交換するときは、止水栓を閉めてからタンク全体を取り外す必要があります。新しいものを取り付けた後はチェーンの長さを調整してください。

・最初に止水栓を閉めて水抜き
作業中の不意な水漏れを防ぐため、止水栓の閉鎖とタンク内の水抜きは不可欠です。作業に慣れていないと忘れがちですが、タンクに水が残っていると被害を広げる恐れがあるので水をしっかり抜いてから作業をはじめてください。

・タンクの取り外し
トイレタンクは、給水管に接続している部分とタンクの下にあるナットを緩めて取り外します。各ナットは、モンキーレンチを使えば緩められます。タンクは重いので、持ち運ぶときには気をつけましょう。

・オーバーフロー管の交換
オーバーフロー管は、根元部分がタンク下部に装着されています。ウォータープライヤーで根元を回すと、取り外せます。新しいものをタンクの下から差し込み、同じく根元を回して取り付けたら交換完了です。

・チェーンの調整
タンクを元に戻したら、レバーとフロートバルブをつなぐチェーンを調整してください。レバーと連動してフロートバルブも適切に作動する長さであれば、問題ありません。調整を怠ると、排水口がきちんと閉まらなくなりトラブルを招きます。

・最後にタンクの動作状況をチェック
交換作業が済んだら、止水栓を開けてタンクの動作状況をチェックしてください。レバーを動かした後、各装置が正しく機能して水位が正常に保たれれば大丈夫です。「水の勢いが強くて水があふれた」「音がうるさい」といった場合は、止水栓を回して調整しましょう。

そもそも、なぜオーバーフロー管は折れる?

オーバーフロー管は、ほかの部品を交換しているときの不注意や経年劣化で破損します。タンク内の部品を交換する際は、十分に留意してください。

・オーバーフロー管は頑丈ではない
オーバーフロー管は比較的に柔らかい部品であり、頑丈とはいえません。タンク内の清掃中や各種部品の交換時に、誤って根元から折ってしまうトラブルも多発しています。節水のためタンクにペットボトルを入れている場合、ぶつかった衝撃で折れる可能性があります。タンク内に入れておく洗浄剤も、オーバーフロー管を弱める要因のひとつです。

また長く使っていれば、経年劣化は避けられません。古い部品ほど折れやすくなります。タンクを手入れする際、少し汚れをぬぐっただけで破損するケースも知られています。一定年数が経過したら、折れていなくても部品交換を検討したほうがよいでしょう。

・二次的被害にも要注意
オーバーフロー管が折れた場合には部品交換になりますが、作業中に二次的被害が発生する恐れもあり注意が必要です。

ナットを締めたとき陶器製のタンクが割れるハプニングは、よく起こります。手違いでレバーを折る、また再利用したパッキンの不具合で水漏れを招くことも少なくありません。自分で交換するなら、被害を拡大しないように気をつけながら取り組んでください。

なお、オーバーフロー管にはいろいろな規格があります。製造が終了している種類は、入手が困難です。交換品がなければ、タンク一式を取り替える場合もあるので、在庫品があるか事前に確認しておくことをおすすめします。

まとめ

オーバーフロー管に不具合が発生すると、トイレを正常に使えなくなる恐れがあります。簡単に折れる可能性があることも忘れてはいけません。交換時は手順を守り、ミスがないよう慎重に作業を進めてください。

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