水のコラム

停電時タンクレストイレは使えないって本当?対処方法をメーカー別に解説

2020年03月31日  トイレのトラブル


近年、便器の後ろにタンクがない、もしくはロータンクが設置されている「タンクレス」トイレが増えています。“停電時に使えなくなるっていうけど、どうすればいいの?”と不安に思われる方も多いでしょう。そこで今回は、停電時のタンクレストイレの対処法について、メーカー別にご紹介します。

タンクレストイレの仕組み

よくあるトイレのタイプといえば、便器の後ろにタンクが設置されている「タンク式トイレ」が有名です。そもそもタンク内には、常に一定量の水が溜められています。タンク横にあるレバーを回すと、タンク内の水が流れ出し、便器内をきれいにしてくれます。

このように便利なトイレタンクですが、その構造はシンプルではありません。ボールタップやフロートバルブ、パッキンなどが相互に連携することで機能しています。そのため、タンク内でのトラブルが起きやすいのも事実です。

そこで注目されるのがタンクレストイレです。タンクレストイレは、水道と直接つながっており、水道の水圧だけで便器内を洗浄します。便器と水道管の間に取り付けられているのは、水の逆流を防ぐためのバルブのみです。その分構造もシンプルになり、設置スペースも小さくて済むため、トイレ空間を広く確保できます。また、従来のトイレで必要だったタンク内の清掃が必要なくなり、タンクが邪魔にならず床の掃除もしやすいという特徴があります。さまざまなメリットがあるため、タンクレストイレを導入する方が増えているのでしょう。

停電時の対処方法(メーカー別)

タンクレストイレには多くのメリットがある一方、最大のデメリットは停電時に使えなくなる点です。そのため、タンクレストイレを提供しているメーカーは、停電時の対処方法をそれぞれ用意しています。ここでは、メーカー別にご紹介します。

・共通の対処方法
まずは、多くの機種で使用できる停電時の対処方法をご紹介します。新聞紙とバケツを準備し、以下の手順で水を流してください。

1. 新聞紙を床に敷き、水で濡れるのを防ぐ
2. バケツに水をくみ、少し高い位置から便器に流し込む

簡単にできるため、停電時はまずこの方法を試してみましょう。ただし、一部の特殊な機種は固有の操作が必要になるケースもあります。

・TOTOのネオレストの場合
TOTOのネオレストは、停電時に備えて手動レバーが便器の裏側に設置されています。具体的には、以下の手順で水を流しましょう。

1. 便器に向かって左側にあるカバーを外し、手動レバーを手前にゆっくりと引っ張る
2. レバーが停止する位置で30秒保持し、「ピピッ」と電子音が鳴ったらレバーを離す
3. 便器内に水が流れる

ただし、TOTOのネオレストの手動洗浄には、24時間で約20回という使用目安があります。停電が2日以上継続する場合は、上記で紹介したバケツを使用した方法、もしくは乾電池を装着して使用しましょう。詳しくはTOTOの公式ホームページをご覧ください。

・Panasonicのアラウーノの場合
Panasonicのアラウーノシリーズは、停電用ハンドルもしくは停電排水ボタンを使用して排水ができます。以下では、停電排水ボタンを使用した方法をご紹介します。

1. 電源プラグを抜き、トップカバーを開ける
2. 電池ホルダーに9V角形アルカリ乾電池を入れる
3. 「停電排水5秒押し」ボタンを「ピッ」と音が鳴るまで5秒間長押しする
4. 「ピーッ」と音が鳴り、排水が完了する

アラウーノでは、水道管から有害ガスや悪臭などを防ぐために、排水後に便器内へ水を入れることが必要です。バケツに水をくみ、約4Lの水を入れてください。また、9V角形アルカリ乾電池は別売りのため、この機会に準備しておくことをおすすめします。

・LIXILのサティスの場合
LIXILのサティスシリーズでは、別売りの停電時便器洗浄キットを本体に接続することで、停電時でもボタンひとつで水を流せます。取り付けられる型番は決まっていますが、取り付けできる場合は、準備しておくと万が一の際にも安心です。また、停電時便器洗浄キットは使用するために単3乾電池6本が必要です。合わせて準備しておくと良いでしょう。

タンクレストイレの注意点

タンクレストイレは、停電時に使用できなくなるため、各メーカーが上記のように対処法を用意しています。ただし、停電の原因が地震にある場合は、停電直後に水を流さないようにしましょう。地震によって地中に埋まっている排水管が破損していると、水漏れが発生する可能性があります。また、水を流すことで圧力が加わり、破損がさらに大きくなる可能性も考えられます。復旧に時間がかかってしまうため、震災直後はトイレの水を流さないようにしましょう。

このような事態に備えて、インターネットやホームセンターでは災害用のトイレが販売されています。トイレが復旧するまでの間、最低でも1週間分程度購入しておくと安心です。

まとめ

タンクレストイレは、見た目がすっきりする一方、停電時に不便というデメリットも抱えています。その分、各メーカーが対策方法を用意しているため、事前に確認しておきましょう。また、あくまでこれらの方法は緊急措置です。トイレの故障で水が流れない場合は、無理に流そうとせず専門業者に依頼しましょう。

きょうと水道職人は、京都市山科区や北区など、京都府のトイレトラブルの解決に尽力しています。お困りの際は、ぜひお問い合わせください。

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