水のコラム
水道の蛇口が閉まらないトラブルの種類ごとの原因について解説!
長く住んでいる家や中古住宅では、水回りのさまざまなところでトラブルが発生しがちです。家と共に古くなった蛇口も、蛇口としての役目を果たせなくなっているかもしれません。
蛇口が閉まらなくなってしまったときは老朽化のサインです。本記事では水道の蛇口が閉まらないときの原因と修理法、修理の際に気を付けるポイントについて解説しています。
水道の蛇口が閉まらないトラブルの種類ごとの原因
蛇口が突然閉まらなくなってしまったら焦りますよね。まずは原因を突き止めることから始めましょう。蛇口が閉まらない原因は主に次のことが考えられます。
・ナットなどパーツのゆるみ
・老朽化
・錆
まず「ナットなどパーツのゆるみ」です。長く使っている蛇口はやがてネジやナットがゆるみ、それが原因で蛇口を閉めても水が止まらない現象が起きてしまいます。このようなときはドライバーなどでネジやナットを閉めなおしましょう。
そして「老朽化」です。何度蛇口を回しても空回りしてしまい、水を止めることができない場合は蛇口内部にあるスピンドルが摩擦によってすり減ってしまっているかもしれません。
これはパーツの老朽化が原因です。スピンドルは蛇口を回すたびに上下に動き、水量を調節しているパーツです。ここが老朽化により消耗していると水量調節ができません。
最後に「錆」です。蛇口が固くて回らないときは、錆が原因です。錆は酸化することで発生します。長く使えば使うほど、錆は発生しやすいです。そのため錆の発生も老朽化のサインだと言えるでしょう。
なお、水道水のミネラルが結晶化して付着していたり、金属の滑りを良くする潤骨油が効果を発揮しなくなったりしても蛇口は固くなってしまいます。
原因がわかれば、対処法もおのずと見えてきます。蛇口が閉まらなくなった時はまず止水栓を閉めて水を止めてから、原因を突き止めましょう。
水道の蛇口が閉まらない時の修理方法
蛇口が閉まらなくなってしまうと、水が出続けてしまいます。閉めても止まらず、原因は何かなど考えているうちに床が水浸しになってしまうかもしれません。まずは水を止めることが先決なので、蛇口が閉まらない水回りの箇所の止水栓を閉めましょう。
止水栓がわからなければ元栓を閉めてください。元栓を閉めると家中の水が止まってしまいますが、緊急事態なので我慢しましょう。
元栓はマンションであれば玄関付近のメーターボックス内にあります。戸建てであれば、屋外にあります。自宅の元栓と各止水栓の場所はあらかじめ把握しておきましょう。
蛇口が機能しなくなった時の対処法は症状別に異なります。蛇口が閉まらなくなった時は、次の症状が考えられます。
・蛇口が空回りしてしまう
・蛇口が固い
まず「蛇口が空回りしてしまう」場合は、パーツの破損が原因なのでパーツを新しいものに換える必要があります。蛇口の種類によって取り付け方法も異なるので、蛇口がどのタイプなのか確認しておきましょう。
お蛇口は大きく「ハンドルタイプ」と「レバータイプ、サーモスタット混合栓タイプ」に分類されます。
「ハンドルタイプ」はパッキンとスピンドルが破損している可能性が高いです。新しいものに換えてください。手順はハンドルを取り外し、ハンドル下のスピンドルとその下にあるパッキンを交換するだけです。簡単なので自力で対処しやすいです。
「レバータイプ、サーモスタット混合栓タイプ」は構造が複雑なため、修繕が必要な時は専門の修繕業者に依頼しましょう。
そして「蛇口が固い」場合は、蛇口に錆やミネラルの結晶化の付着が考えられます。この症状はハンドルタイプの蛇口にのみ現れます。簡単に分解できるので、蛇口を取り外してしっかり洗浄しましょう。
それでも解消しなければ潤骨油が取れてしまって金属の滑りが悪くなっていることが考えられます。潤骨油を塗りなおせば改善しますが、素人にはやや難しいです。新しい蛇口に換えてしまうのもひとつの手です。
水道の蛇口を修理する際に気を付けるべきポイント
蛇口が閉まらなくなった時は蛇口の交換を検討しましょう。蛇口の交換は自力で行えますが、次のポイントに気を付けて実施してください。
・蛇口、パーツは既存のものと同じものに交換する
・蛇口の交換にとどまらない時は自治体に認定された修繕会社に依頼
まず「蛇口、パーツは既存のものと同じものに交換する」という点です。トラブルが発生して蛇口の交換や内部にあるパッキンなどのパーツの老朽化を発見したら新しいものへの交換が必要です。その際には同じ型番のものを準備しましょう。
ホームセンターなどで購入する際に現物を持っていくか、型番をメモするか、写真を撮っておくと確実です。なお同じ製品が製造中止になっていることもあるので、わからなければ製造元に問い合わせ、取り寄せが可能か確認しましょう。
そして「蛇口の交換にとどまらない時は自治体に認定された修繕会社に依頼」という点です。蛇口が閉まらなくなったり、漏水が発生したりすると蛇口の交換を検討すると思います。
しかし原因が蛇口ではなかった場合、蛇口の交換をしてもトラブルは解決しません。水道回りの給水装置の設置や移設、増設や撤去には自治体の認定を受けた「水道局指定給水装置工事事業者」しか施工ができません。
「水道局指定給水装置工事事業者」は各自治体のホームページで確認ができます。蛇口の交換にとどまらなければ、認定を受けている事業者に修繕の相談をしてみましょう。
自力で修理するのが難しいようなら専門の修理業者に依頼しよう
ハンドルタイプの蛇口であれば、構造がシンプルなので自力で対処しやすいです。しかし、レバータイプやサーモスタット混合栓タイプは構造が複雑なので修理は専門業者に依頼することをおすすめします。自力で行ってパーツを紛失したり、分解して元に戻せなくなったりしては元も子もありません。
専門の修繕会社であれば、二次災害を起こすこともなく安心して任せられます。なお修繕会社に依頼する場合も水が出続けるのを止めるために止水栓は必ず閉めましょう。そうしなければ、修繕会社が到着するまで水が出っぱなしになってしまいます。床だけでなく、他の部屋や集合住宅であれば階下の部屋にまで被害が広がってしまうかもしれません。
そして修繕会社を選ぶ時は、技術や実績、口コミなどをもとに判断しましょう。価格も明確に設定されている会社は信頼できそうですよね。
まとめ
ここまで水道の蛇口が閉まらないときの原因と修理法、修理の際に気を付けるポイントについて解説してきました。蛇口のハンドルが固くて回せなかったり、ハンドルが緩くなってしまい蛇口を閉められなくなった時は蛇口の老朽化が考えられます。
ハンドルが固くなってしまった場合には錆や結晶化したミネラルの付着が原因であるため、取り除けば改善します。しかし錆の発生も老朽化のサインであるため、トラブルを繰り返してしまうかもしれません。蛇口を一新した方がよいでしょう。
蛇口の交換は自力でもできますが、複雑な構造の蛇口であればパーツを紛失したり分解して元通りにできなくなってしまったりすることが考えられます。不安があれば専門の修繕会社に任せた方が安心です。水は生活に欠かせない重要なインフラです。異常に気が付いたら早めに対処しましょう。