水のコラム

マンションの排水管はどうなってるの?構造と設備を徹底解説

2023年04月24日  水回り

住宅はその機能や設備により、配管の仕組みが違います。集合住宅で配管トラブルを予防し、万が一の事態に遭遇しても落ち着いて対応するには、配管の仕組みを知っておく必要があります。

ここでは、マンションを例に排水管の種類や設備・構造を解説します。あわせてトラブル発生時の対応についても触れるので、参考にしてください。

マンションで発生する3つの排水

住宅に住み続けていると、3つの排水が発生します。マンションの配管もこれらを排水するためにそれぞれ配置されています。まずはマンションに住んでいると発生する3つの排水について学びましょう。

雑排水
雑排水は、洗面台・浴室・キッチンのシンク・洗濯機などからの排水です。別名を生活排水と呼びます。マンションでは専用の排水管に流され、1階の床下にある横引管でほかの汚水とまとめて汚水桝に送られます。

汚水桝に送られた後は、道路の中に埋まっている汚水管から下水処理施設に流れていく仕組みです。

汚水
汚水はトイレからの排水を差しています。マンションなどでは、専用の汚水管を通り横引管まで流れていきます。

汚水管はマンションの構造により、雑排水と一緒にまとめられるタイプと別々に処理されるタイプがありますが、どちらの場合でも汚水管から下水処理施設に送られるのは変わりません。

雨水
雨水はこれまで解説した生活排水とは違い、自然現象により発生します。屋根やバルコニーに入り込んだ雨水は、排水管によりマンションの外へ送られます。汚水桝には送られません。道路にある雨水専用管に流されます。

マンションの排水に関わる配管と設備

マンションの排水設備は、配管だけではありません。メンテナンスや故障に対応するには、配管や設備の知識も必要です。排水の種類とともに覚えておきましょう。

排水用管
汚水や雨水を輩出するための配管です。先ほど解説した通り、排水ごとに専用の配管があります。昔はすべてひとまとめにされていましたが、現在はインフラ整備が進んだことで、それぞれ分けて配置されるようになりました。

通気管
通気管は、外と配管をつなぐ管で、配管内に吸気を供給しています。汚水管は、大量に水が流れると中の圧力が変化し、スムーズに水が流れなくなります。通気管をつければ、中の圧力に応じて空気を調節できるため、いつでもスムーズに水が流れるようになるのです。

通気管がうまく働かなくなると、異音や詰まりなどが発生しやすくなります。配管に異常がなくてもこれらの異常が起きている場合、通気管が故障しているかもしれません。トラブルが続くようなら、管理者に相談しましょう。

配管トラップ
洗面台などの配管を見ると、一部曲がっている部分があります。これが配管トラップです。これは、下水から登ってくる臭いや虫を防ぐための設備です。中には封水と呼ばれる水が詰まっています。マンションだけでなく、ほとんどの配管で採用されている設備です。

封水は、水を使えばその一部がトラップ内に留まるため、設備を使い続けている限り切れることはありません。しかし、旅行で数週間以上部屋を空けた場合など、長時間使われないままだと、封水が蒸発することがあります。

封水が蒸発すると、異臭やトイレの水位が低くなるなどの異常が起こります。これらの事態が発生したときは、まずは一度水を使って封水を溜め直しましょう。それでも直らない場合、別のトラブルが発生している可能性が考えられます。

汚水桝
排水の説明で少し触れましたが、これも汚水を管理するための設備です。汚水が桝の中に入ると、ゴミが沈殿し油分が水面に移動します。汚れた水だけを下水管に流すことで、下水管の詰まりや下水処理場の負担を下げる効果が期待できます。

汚水桝はマンションだけでなく一戸建てにもある設備です。一戸建ての場合、住宅の敷地内にあり、ふたを開ければ確認できますが、マンションのような集合住宅ではできません。

配管の構造は2種類ある

最初にも触れましたが、マンションの配管は、ふたつに分けられます。この構造の違いによっても、トラブルが発生する可能性が大きく変わります。配管の種類や設備だけでなく、構造も覚えておきましょう。

合流式
合流式は、雑排水と汚水を同じ配管でまとめ、流す構造です。床下にある横引管で合流させ、排水します。

横引管で排水の詰まりが発生すると、マンション全体に被害が及ぶこともあり、お風呂場などから汚水が噴き出したケースもあります。合流式で採用されている横引管は、1階の床下にあり、共有部分に該当する場所です。

合流式を採用しているマンションの横引管でトラブルが発生し、専有部分に被害を受けた場合、被害を保証するのは管理者となります。トラブルに遭遇したときは、まず故障箇所を把握し、そのうえで対応しましょう。

分流式
分流式は、それぞれの配管が汚水桝につながっている構造です。新しいマンションでよく採用されている構造でもあります。それぞれの配管から汚水を流しているので、合流式のように横引管で発生したつまりによるトラブルに遭遇する心配がありません。

分流式を採用しているマンションの中には、詰まりがちな配管をさらに別に分けることで、トラブルを防止しているところもあります。

マンションで排水トラブルが起きたらどうしたらいい?

マンションで排水トラブルが起きると、慌ててしまう方も多いです。しかし、落ち着いて対処しないと、トラブルの悪化を招いてしまうこともあります。排水管の仕組みとともに、排水トラブルが起きたときの対応方法を覚えておきましょう。

無理に排水しようとしない
配管トラブルの多くは、中に物が詰まっているために起こるケースが多いです。詰まりの元を取り除けば修理できることもあります。このような場合は、まずラバーカップなどを使い、詰まりが取れないか試してみましょう。

つまりが取れないままに排水しようとすると、中の水があふれたり逆流したりします。かえって事態を悪化させかねません。どうしても排水したい場合は、バケツなどに汲み取っておきましょう。トイレに捨てるものの場合は、ビニール袋などに入れておき、トラブルが改善されてから捨ててください。

すぐ管理者へ連絡を
排水トラブルに気がついたら、すぐに管理者へ連絡しましょう。被害を受けた場合も、被害を出してしまった場合も、まずはマンションを管理しているところに連絡してください。トラブルの状況や、被害を受けた人・ものがあればその内容も伝えます。

被害状況を伝えれば、管理者から指示をもらえるでしょう。

管理者によっては、特定の業者と契約を結び、修理に当たっている場合もあります。また、火災保険の特約の中には、水漏れの際無料修理を利用できるものもあり、この特約を使うよう指示をもらうケースもあります。

このような場合に勝手に自分で選んだ業者を呼ぶと、トラブルにつながってしまいます。トラブルの被害を受けていると、すぐに対応しようとしてしまいがちですが、まずは落ち着いて状況を把握し、管理者へ連絡しましょう。

まとめ

マンションをはじめとした集合住宅の配管は、一戸建て住宅とは異なる構造をしています。トラブルなどに遭遇したとき、適切に対応するためにも、集合住宅の配管とその構造を覚えておきましょう。

あわせて、配管トラブルが起きたときの対処法も覚えておくと、万が一の事態が起きても落ち着いて対応できます。マンションの契約書や手引きには、配管トラブルが発生したときの対応についても記載されているので、事前に確認しておくとより安心です。

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