水のコラム

トイレの水がなくなるのはなぜ?原因と改善方法を知っておこう

2023年05月18日  トイレ

まれに、トイレの水がなくなることがあります。これは、自然現象の場合と故障の場合があり、故障しているときは修理が必要です。自然現象と故障を見極めるには、なぜ水がなくなってしまうのかを知っておく必要があります。

そこで、トイレの水がなくなる主な原因と、改善方法をまとめました。現在トラブルが起きている方は、こちらの内容を参考にしながら対応してください。

トイレの水がなくなる原因

トイレの水が無くなる原因は複数あります。まずは、主な原因とその発生の仕組みを学びましょう。

蒸発
トイレの水は、ある程度は蒸発しています。普段蒸発に気が付かないのは、定期的に使用することで、排水口周辺に水が供給されているためです。しかし、長期間使用されないまま放置されると、中の水がなくなってしまいます。

気温や住宅の機能により異なりますが、大体1週間ほど誰も使っていない状態が続くと、水がなくなった状態になります。長期間家を空ける場合は、蒸発を防ぐ対策が必要です。

サイホン現象
集合住宅では、気圧変化でトイレの水が引っ張られて流されてしまうことがあります。これが、サイホン現象です。

具体的には、自分の部屋より上の階に住んでいる人が、浴槽の水を流すなど大量の水を排水したときに起こります。

このとき、配管内の気圧が急激に変化し、トイレの水が引っ張られてしまうのです。蒸発同様、自然現象のため、修理は必要ありません。

タンクや便器の故障
タンクや便器が故障していると、水がなくなったような状態になります。以下のような故障が疑われるときは、修理を検討しましょう。

・ タンクからの給水量が少ない
・ タンク周辺に水たまりがある
・ トイレの水を流してもいつの間にか水が減っている

タンク周辺に異常がある場合は、タンクの中または本体に異常が発生しています。異常がないのに水が減っている場合、特に便器にひびなどが入っているときは、便器が故障している可能性が高いです。

毛細管現象
毛細管現象とは、吸水性のあるものが水分に触れると吸い上げてしまう現象です。トイレの場合は、配管内に残ったトイレットペーパーなどの溶け残りが、排水口の水を吸い取ってしまうことで発生します。

配管内の汚れが原因で発生しているため、取り除かない限り起こり続けます。いつの間にか、中の水がなくなることが数回発生している場合は、配管汚れによる不具合を疑いましょう。

詰まりや配管の汚れ
詰まりや配管の汚れにより、排水機能が低下しているときにも、水がなくなることがあります。詰まりと聞くと配管内が塞がれて水が流れず、水位が高くなるイメージがありますが、ものが流れて行ったあとに配管を塞ぐことで、水位が低くなることもあるのです。

配管内を塞いでいるものを取り除かない限り、水位は元に戻りません。一度、流れたまま水が元に戻らないときは、配管の異常を疑いましょう。

蒸発やサイホン現象は水を流せば改善できる

蒸発やサイホン現象は、一度水を流せば再度排水口に水がたまり、正常に戻ります。特別な修理は必要ありません。なお、どうしても蒸発を押さえたいときは、以下の方法を取りましょう。

・ トイレに水を足してふたを閉めておく
・ 便器の口にラップをする
・ トイレ用の蒸発防止剤を入れておく

このうち、トイレの蒸発防止剤はホームセンターなどで購入できます。入れておけば数か月は持つ優れものです。長期間家を空けるときは、先に購入しておきましょう。

サイホン現象を防ぐことは難しいです。しかし、あまりにも頻繁に発生している場合は、配管の共有部分に異常が発生しているかもしれません。気になる場合、管理者に相談しましょう。

便器のひび割れは業者に交換修理を依頼する

タンクや便器のひび割れが原因の場合、ひび割れている本体を交換しなくてはなりません。家庭での修理はできないため、業者に依頼しましょう。

なお、故障しているトイレは使用してはなりません。水を流すと水漏れの被害を広めるなど状況を悪化させる可能性があります。

タンクが故障していた場合の修理方法

タンクにひび割れなど外見からわかる故障がない場合は、中のパーツに問題があるかもしれません。内部パーツが故障していた時の対応方法を解説します。

用意する道具
修理には以下の道具が必要です。まずは道具を用意しましょう。

・ ゴム手袋
・ マイナスドライバー
・ モンキーレンチ※
・ ペンチ※
・ 新しいパーツ※

タンク内は不衛生なため、中で作業するときはゴム手袋をしましょう。マイナスドライバーは止水栓の開閉に使います。

米印のついている道具は、それぞれパーツの調節・交換に使う道具です。故障の状況に合わせてご用意ください。新しいパーツはトイレのメーカー・型番に合ったものを購入しましょう。

止水栓を閉めてタンクの水位と部品を確認する
まずは、中の様子を確認します。マイナスドライバーを使って止水栓を閉めましょう。栓の溝にドライバーを入れ、反時計回りに回しましょう。回した回数は栓を開けるときに使うため、メモを取ってください。

栓を閉めたらタンクのふたを開けます。ふたは陶器製のため、落として割らないようにご注意ください。ふたを開けたら、中に異物がないか確認しましょう。異物の有無を確認したら、水位と部品を確認します。

タンク内に黒い文字で「-WL-」と書かれた管があるはずです。管の線よりも2~3cm下に水位があるか確認しましょう。同時に、以下の異常がないか確認してください。

・ 給水管につながっているパーツがほかのパーツに引っかかっている
・ 給水管につながっているパーツを手で動かそうとしても動かない
・ タンク下にあるバルブとそこにつながっている鎖が洗浄レバーから外れている
・ 各パーツの破損

水を流して部品の調節・交換を行う
次に、以上に合わせて修理を行います。パーツがほかのパーツに引っかかっている場合は外してください。タンク下のバルブにつながっている鎖が外れていたら、かけなおしましょう。

水量に異常があるときは、給水管につながっているパーツのうち、風船のような浮き球についているアームをペンチで調節します。部品が動かない・破損している場合は、モンキーレンチを使ってナットを外し、新しいパーツと交換してください。

止水栓を開けて動作確認する
作業が終わったら一度止水栓を開けます。締めたときと同じ回数だけ回してください。その後、水を流して異常が改善されたか確認します。正常に動いたら修理は完了です。不具合や故障があるときは、再度止水栓を閉めて作業してください。

排水口や配管内の汚れを取り除く方法

次に、毛細管現象や詰まりにより、水位に異常が起きている場合の対応方法を解説します。配管内の汚れを取る方法は複数ありますが、ここではラバーカップを使う方法をご紹介します。

用意する道具
まずは以下の道具をご用意ください。

・ マイナスドライバー
・ ビニールシート
・ バケツ
・ ラバーカップ

マイナスドライバーはタンク修理同様止水栓の開閉に使います。ビニールシートは養生に、バケツはトイレの水位調節に使うため、必ず用意してください。ラバーカップはトイレの形状とサイズに合ったものを要しましょう。

止水栓を閉めて養生する
道具を用意したら、止水栓を閉めます。やり方はタンク修理のときと同じです。栓を閉めたらビニールシートで便器とその周辺を養生します。便器の口を覆い、排水口のある位置に穴をあけておきましょう。

これは、ラバーカップを使ってつまりを取ると、中の水が逆流するため、その被害を防ぐための作業です。思わぬ水漏れや汚水を処理する手間を省くためにも、必ず行ってください。

排水口に水を入れてラバーカップを使う
次に、ラバーカップを一度排水口に付けます。このとき、カップ部分よりも水位が低いなら、バケツで水を足してください。準備が終わったらラバーカップを使います。カップを押し込み、力を込めながら引いてください。これを原因のものが取れるまで繰り返します。

詰まりが取れると水が流れるなどの反応があります。改善のサインが出たら、次の段階に進みましょう。

止水栓を開けて動作確認する
修理ができたら止水栓を開けます。その後、水を流してきちんと修理できているか確認してください。不具合や故障が残っているようなら、再度栓を閉めて修理します。異常を完全に取り除いてから後片付けをしましょう。

まとめ

トイレの水はさまざまな原因でなくなります。中には自然現象であり、修理する必要のないものもあるため、正しい対処が大切です。いきなり発生するとビックリしてしまう不具合ではありますが、落ち着いて対処しましょう。

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