水のコラム

井戸の息抜きって何?何のために必要?

2024年07月10日  その他


ご自宅でご使用の井戸を老朽化で撤去したい場合や、転居に伴い撤去したい場合など、井戸を埋めたいと考える日がくるかもしれません。
 
井戸は撤去の前に息抜きが必要と言われており、息抜きは井戸を撤去した跡地が地盤沈下などを起こすことを防ぐために行います。
 
地域によっては井戸の撤去にお祓いが必要とも考えられており、井戸を撤去する前にお祓いを行う習慣もあるでしょう。
 
今回は、井戸の息抜きや撤去の手順などについて解説をしていきます。

井戸の息抜きとは

井戸の息抜きとは、井戸の内部から井戸の外部にパイプを通す作業のことで、息抜きには2つの意味があります。

地盤沈下の予防

井戸の内部や底は、長期間水にさらされているため、地盤が緩んでいる可能性があります。
井戸を撤去してすぐに跡地に新しい建設物を造ると、地盤沈下を起こしてしまう恐れがあるのです。
 
息抜きをすることで水を排出し、井戸の内部や底を乾燥させることが可能になるため、地盤沈下の予防になります。
また井戸内部に溜まったガスを抜くこともできるため、爆発の対策にも繋がるでしょう。

神様の通り道

古来の日本では、井戸には水の神様や精霊が宿っていると考えられてきました。
息抜きは、水の神様や精霊が通る道を作るため、その道を通って外に出られるのです。
 
井戸の息抜きの前に、お祓いで水の神様や精霊に感謝を伝え、災厄を防ぐ地域もあります。
 
お祓いは神社仏閣の神主や僧侶に依頼をすることができます。
京都府には神社仏閣が多くありますが、井戸のお祓いを行っているかは神社仏閣によって異なるため、問い合わせをしましょう。

井戸を撤去する手順


井戸の撤去は「業者への依頼」「お祓い」「井戸内部の清掃」「息抜き」「井戸の埋め戻し」「整地」の順で行います。
お祓い以降はすべて業者の作業となるでしょう。

業者への依頼

井戸の撤去はご自分で行うことができないため、必ず業者に依頼をしましょう。
 
井戸を撤去する前に、井戸の中の水を抜く作業やゴミなどを取り除く作業などが発生し、井戸の撤去には重機を使用します。
井戸は狭い範囲に設置されていることが多いため、重機の取り扱いをご自分で行うことは大変危険です。
 
また跡地の地盤沈下リスク軽減のためにも、業者に依頼をした方が安全でしょう。
 
業者を選定するときは、相見積もりの取得や、評判の確認をすることで安心して依頼ができます。
しかし、井戸撤去を行っている業者は多くはないため、相見積もりの取得が難しい場合があります。
このときは業者にしっかりと話を聞き、疑問点を解決すると良いでしょう。

お祓い

お住まいの地域によっては、井戸のお祓いが必ず必要とされている場所もあります。
ご自宅の井戸を撤去する前は、地域の風習を確認しておくと良いでしょう。
 
お祓いのときのお供え物は、依頼をする神社仏閣によって異なるため、確認をしてみてください。
 
お祓いのときの服装は、ラフ過ぎない普段着で問題ありません。
 
お祓いをしない地域の人や、信仰によりお祓いを必要としない場合もあります。
このときはこの工程は不要です。

井戸内部の清掃

井戸の内部にはゴミや落ち葉などが沈殿しており、水も残ったままになった場合がほとんどです。
井戸の撤去を行う前に井戸に残っている水を抜き、ゴミや落ち葉などを取り除くために清掃を行います。
 
井戸は地下から水を汲み上げる構造のため、井戸の中に残っているものがあると、埋め戻しの際に地下水に混ざってしまう場合があるのです。
またゴミなどが残ったままめ戻しをしてしまうと、井戸跡地が地盤沈下を起こしてしまう可能性もあるでしょう。

息抜き

塩化ビニールでできたパイプや、竹でできたパイプなどを井戸に挿入し、井戸の底まで通します。
 
息抜きを行うことで、井戸内部の清掃では取り切れなかった水やゴミ、ガスなどを排出することができます。
息抜きを行うことで、井戸の撤去作業を安全に行えるのです。
 
息抜きは、井戸の底や内部の湿気も取り除くことができるため、乾燥をさせることが可能になります。
乾燥させることで井戸跡地が地盤沈下を起こすリスクが軽減できるでしょう。

井戸の埋め戻し

井戸の埋め戻しとは、井戸を掘削する前の状態に戻すということです。
 
井戸跡地を井戸の掘削前と全く同じに戻すことはできませんが、井戸の底部分を砂利などで埋め、その上に土を乗せていくことで、地層を作ることができるため、以前に近い状態に戻せるでしょう。
 
砂利や土といったものは、環境汚染と地盤沈下に配慮されたものを使用することが必要です。
不安がある場合、業者にどのようなもので埋め戻しをするのか確認してみても良いかもしれません。

整地

埋め戻しが完了した後は、井戸本体の撤去を行います。
 
井戸本体は残しておくことも可能ですが、雨風にさらされ劣化が進み、崩れ落ちてしまう可能性があるでしょう。
またご自宅を売却する場合、井戸本体が残っていることで査定額が下がってしまうこともあるのです。
 
井戸の息抜きに使用したパイプは、井戸があった場所という目印になるため、そのまま残されます。
通常、井戸跡地に新しい建設物を造るときに抜き取ります。
 
跡地に建設予定がなくパイプの存在が気になる場合には、業者にいつ頃抜いても良いか確認してみましょう。

井戸撤去にかかる費用相場


井戸の撤去にかかる作業費用の相場は、井戸の大きさや深さによって異なりますが、約100,000円前後です。
 
井戸の撤去だけではなく、家屋の撤去と同時に行う場合は、約50,000円前後で井戸の撤去も行えます。
家屋の撤去中に井戸が見つかるというケースの場合も、追加費用は同等の費用相場です。
 
お祓いは自分で依頼せず、業者を経由して依頼することも可能です。
この場合の費用は約30,000円前後追加で必要となるでしょう。

井戸を本当に撤去するべきか考える

井戸の撤去には費用と時間がかかるため、井戸の水脈が生きている場合、撤去を依頼する前に撤去の必要性を考えることがおすすめです。

井戸は防災の面でも役立つ

井戸は防災の面でも役立ちます。
自然災害の影響による火災や乾燥による火災、もらい火など、火災の理由は様々です。
水道が使用できるときや消火器が使用できるときには、これらを使用して鎮火を行うことができます。
 
しかし自然災害による火災では、水道が使用できなくなっていることや、消火器が破損してしまって使用できないことがあります。
このようなケースで、井戸水を鎮火に役立てることができるでしょう。

井戸ポンプだけが動かない

井戸ポンプの故障により井戸水が使用できない場合は、井戸ポンプの修理や交換をすることで、井戸の使用を再開できます。
 
きょうと水道職人では、井戸ポンプの修理や交換を行っております!
 
井戸ポンプは雨風にさらされることや、長期間水を汲み上げることにより、経年劣化や部品金属疲労を起こしてしまうのです。
井戸ポンプ本体が壊れてしまい動かなくなってしまうこともありますが、水漏れといった症状で留まっていることもあります。
 
井戸の周りは汲み上げた水を落とすなどで水漏れに気が付きにくく、吐水量が減った理由が井戸の枯渇だと思う人もいらっしゃるのです。
 
きょうと水道職人は、お見積もりもお見積もり後のキャンセルも無料です!
井戸ポンプの動きが悪くなったり止まってしまうことがあるときは、井戸ポンプの損傷・故障が考えられます。
井戸ポンプのトラブルは、きょうと水道職人までお気軽にお見積もりのご相談をくださいませ。

まとめ

井戸の息抜きとは、井戸を安全に撤去するために必要な作業です。
 
井戸の撤去は埋め戻しを行い、井戸を掘削する前と同じ状態に戻す必要があります。
井戸の埋め戻しの際に、地下水にゴミなどを混ぜてしまわないことや、井戸跡地の地盤沈下を予防するためにも、井戸の息抜きは効果的です。
 
公益財団法人京都埋蔵文化研究所(京都府京都市上京区)では、「井戸はどうして埋められたのか(土器を入れる)」という研究ノートを公開しています。
 
私たちの文化に欠かせない井戸は、古来より活用されており、地中に埋まっていた井戸から土器が出土される場合があるのです。
なぜ土器が井戸の中に入っていたのかについて、研究ノートにまとめられています。
 
参考:公益財団法人京都埋蔵文化研究所┃井戸はどうして埋められたのか(土器を入れる)

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